やっぱり雑誌が好き。第4冊:『IN/SECTS』編集部・中村悠介さん

ノー・ミーツだった約2ヶ月間、Meets編集部と同様に、雑誌作りに携わる人たちは、何を考え、どんなアクションを起こしていたんだろう。
各誌編集部のみなさんの「今の想い」を知りたい。

そして、雑誌を愛する人を励ましたいし、励まされたい。
僕らはやっぱり、雑誌が好きだ。

関西の雑誌編集部からの、雑誌へのラブレター。トリを飾るのは、関西屈指のカルチャーマガジン『インセクツ』の中村悠介さん。発売間もない大阪をフォーカスした特集も面白かった!

『IN/SECTS』編集部・中村悠介さん
インセクツ/エディター 中村悠介
エディター。京都出身。Happenings KYOTOという音楽レーベル、のようなものも運営しています。趣味は銭湯。サウナより銭湯派。

雑誌はメガミックス。
やっぱりそこが好き。

雑誌の「雑」。それは例えるならヒップホップのメガミックスのようなものだ。古今東西、人種もスタイルも問わず、あらゆる音楽を節操なく飲み込み再構築。ガシガシとチャンネルを回した昔のテレビのザッピングみたく、なにが飛び出すのか予測不可。雑誌には、そんな痛快なミュータント性と予期せぬ出会いがあって、やっぱりそこが好きなところ。

いまコロナ禍で、家にある古い雑誌の整理を思い立つも、気付けば(90年代の『宝島』などを)読み耽って片付けが終わらない。というよくある話の中で、改めて「雑」のそんな力を思い知らされた。そしてもうひとつ、当時の記事たちが、ただ「懐かしい」で収まらないこともちょっと発見だった。というか雑誌に時代性があること自体がもはや新鮮に見えた。当たり前といえば当たり前だけど、これはブラウザ上では過去も現在もフラットに見えてしまって久しい2020年の正直な気持ち。これを30年越しのスロージャーナリズムと呼ぶなら、紙はとりあえず腐らないってことか。去年のデジカメのデータはどっかいったけど。

そんなわけでこんな企画を思いついた。それは過去の『Meets Regional』誌のメガミックス。きっと編集部の倉庫なんかに昔のシブい写真がどっさり眠っているはず。今はもうなくなってしまった店や風景などを1冊にエディット、大阪を再構築してみる写真集のような雑誌。きっと懐古だけには終わらないはず。(ちょうど『宝島』に載ってたブルーハーツ風にいうと)グーグルマップには映らない、美しさがあるはず。どうでしょう? オフラインの新・大阪がいま猛烈に見てみたい。

最新号について

『インセクツ』Vol.12

『インセクツ』Vol.12
「大阪観光」
発売中
1,870円/LLCインセクツ

大阪を拠点にした編集部が目線を“観光”に変えて、スパイスカレー、看板、土井善晴、西成、千日前ユニバース、レコードショップなど、下町まじりのビッグシティ・大阪の魅力をメガミックス形式でご紹介しています。

今後の予定について
インセクツ主催のマーケットイベント『KITAKAGAYA FLEA & ASIA BOOK MARKET』を10月に開催予定。会場は北加賀屋のクリエイティブセンター大阪(CCO)。

文:中村悠介
写真:西島渚
企画・編集:松尾修平

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