やっぱり雑誌が好き。第3冊:『関西ウォーカー』副編集長・山田孝一さん

ノー・ミーツだった約2ヶ月間、Meets編集部と同様に、雑誌作りに携わる人たちは、何を考え、どんなアクションを起こしていたんだろう。
各誌編集部のみなさんの「今の想い」を知りたい。

そして、雑誌を愛する人を励ましたいし、励まされたい。
僕らはやっぱり、雑誌が好きだ。

3冊目は、関西のおでかけ情報からグルメ、カルチャーなど、全方位にわたり情報発信する、お馴染みの情報誌『関西ウォーカー』。副編集長・山田孝一さんが語る、テレワークがもたらした環境の変化について。

関西ウォーカー/副編集長 山田孝一
関西ウォーカー/副編集長 山田孝一
関西ウォーカー副編集長。佐賀県生まれ、大阪市在住。大学卒業後、広告代理店勤務を経て2011年KADOKAWA入社。18年より現職。趣味は週末農業。刊行再開後は誌面を通じて読者ともっと密になれるよう頑張ります!

さらば愛しの3密編集部。

雑誌の何が好きか? と問われるなら〝作り手の熱〟に直に触れられるところだろうか。特集テーマに沿って、知っていることをさらに深く、知らないことをわかりやすく、あの手この手を使って立体的かつ情熱的に教えてくれる。Webとよく比較されるが、それとはまた違った熱い魅力が詰まったものだと思う。

弊誌『ウォーカー』は、おでかけからグルメ、テレビ、映画、音楽、アイドル、マンガ、占いまで、取り上げる範囲が広く、まさに雑誌(=雑多なモノやコトが集まった誌面)らしさ全開。歴代編集長は「幕の内弁当」と表していたが、コンテンツ(弁当で言うところのおかず)を決してスマートには絞り込まない、わやくちゃな詰め込みをウリにしている。

そんなウォーカーが日頃お世話になっている飲食店、観光スポット、エンタメ関係者が、今回のコロナ騒動で深刻なダメージを受けている。今こそ雑誌の力で盛り上げていきたいのだが、弊誌もまた、当面は休刊という形をとっていて、力になれない歯がゆい日々が続く。なので刊行を再開した際には、「Withコロナ時代」における飲食業・観光業のあり方や、不要不急と切り捨てられたカルチャー分野の動向を注視し、熱をもってそれらを応援していくつもりだ。

ここ数年、うちの編集部でも働き方改革が唱えられ、このコロナ禍をきっかけに急速にテレワークが進んだ。きっと以前のような仕事の仕方には戻らず、編集者にも「Withコロナ時代」に寄り添った戦い方が求められる。それはそれで変化を楽しみたい反面、あの熱気ムンムンの濃密部屋でギラギラの目をしながら編集していた日々がもう来ないと思うと、少し寂しかったりもする。やはりそんな3密時間こそが、〝作り手の熱〟の源泉なのではないだろうか。

なんてことを考えながら、今日も慣れない自宅での仕事。暴れ盛りの2歳児と、それを叱りながら追いかけまわす妻と一緒に狭い部屋で。
あ、こっちの方が3密かも。

最新号について

『関西ウォーカー』2020 No.9

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「完全保存版! 2020新名所徹底ガイド!」
発売中
650円/KADOKAWA

関西2府4県の新名所や話題のグルメをはじめとする街ネタや、イベント・ドライブなどのお出かけ情報を中心に紹介。「関西の本音とリアル」をコンセプトにした徹底取材を心がけ、関西の街の動きをビビッドに反映した内容で構成する1冊です。

今後の予定について
絶賛検討中。「Withコロナ時代」に向けて「あんしん・あんぜん」をキーワードとし、新しいおでかけスタイルを提案していきます。

文:山田孝一
写真:西島渚
企画・編集:松尾修平

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