アカネのミッドナイト・リリックス #3 [後編]

おやすみ前のチルタイム。
アメリカ音楽を研究していた編集Yが、
メロウな洋楽と、ちょっとためになる英語表現をご紹介。




今回のフレーズはこちら。
“show me love like… ”
Show Me Love (feat. Miguel) – Alicia Keys (2019)



[前編] では、
“like” の多用に着目し、
“Show Me Love” では「さまざまな愛のかたち」について
歌われていることを確認しました。

そして後半で紹介したインタビューの中で Alicia は、
「ありのままでいたい」という願望を持っているらしいことが判明。

また、「ペルソナ」という言葉を使い、
表面や外見を取り繕うことに飽き飽きしている様子でした。

そしてAlicia は今から18年前に、
これらをテーマにした楽曲を発表していました。
それが、前回予告した “If I Ain’t Got You” です。



1サビ前の一節を見てみましょう。
(※オリジナルの歌詞はこちらから!以下、筆者による意訳)

見た目が中身を決めると思っている人もいる
自分も長らくそう思ってた
そんな人生退屈だわ
だってそんなの超表面的なことじゃない


こうして、
外見や物質的な豊かさに対するアンチテーゼを唱えたあとに、
あの有名なサビです。

ダイヤのリングが欲しい人もいる
全てを欲しがる人もいる
でもそんなこと全く意味がないの
あなたと一緒じゃなければ


どんなモノも、素晴らしい地位も、
「あなた」がいないと意味がないと歌っています。
先ほどのアンチテーゼを鑑みると、
ここでの「あなた」 = 「内面的な価値」「精神的豊かさ」
であると言えるのでは。

つまりここからは、
「モノで表面を取り繕う必要はない。ありのままを見せて」
という含意が読み取れます。

…つながったでしょうか?
そうです、 “show me love” です。

love = 内面/精神/心の中のことなので、
当然「ペルソナ(仮面)」などいらないはず。
つまり  love = ありのまま であると。

なので、
仮に私がこの楽曲に邦題をつけるならば、
さながら某雪の女王のごとく
Show Me Love ~ありのままを見せて~
にするでしょう…!


前編で触れたインタビューで明かしていたように、
新たな恐怖に直面していた Alicia は
ひとくちに「愛」といっても、さまざまな在り方や表し方がある
ということを議題にあげ、
改めて、愛の本質について歌った曲を作ったのだと思います。


最後に、
Alicia からのリスナーへのメッセージを引用して終わります。
“I don’t want to tell people what to think, I want people to feel what they feel because [love] happens to people in such different ways that I don’t want it to be my version of it. I want it to be your version of it.”
「私は、どう考えるべきかってことをみんなに言いたくないの。みんなが感じたことが答え。だって、(愛が)どう生まれるかは人それぞれ、みんなバラバラだから。私のバージョンが正解っていうわけじゃなくて、あなたのバージョンとしてかたちを変えていってほしい。」




文/編集Y


〈参考〉
https://genius.com/Alicia-keys-show-me-love-lyrics
https://genius.com/Alicia-keys-if-i-aint-got-you-lyrics
https://hypebeast.com/2019/9/alicia-keys-show-me-love-film-interview
https://www.vibe.com/2019/09/alicia-keys-new-single-show-me-love-review

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