アカネのミッドナイト・リリックス #2 [前編]

おやすみ前のチルタイム。
アメリカ音楽を研究していた編集Yが、
メロウな洋楽と、ちょっとためになる英語表現をご紹介。



 

近頃、Usher (アッシャー)の波が再来しています。

90年代後半から00年代にかけて
アメリカ R&Bシーンの中核を担った存在のUsher。

10年代初頭までは、ひとたび「アッシャー」と口にすれば
みな「懐かしいww」と口をそろえ(若干嘲笑しているのがポイント)
「過去の人」として語られることが多かった彼ですが、
10年代後半に入ると、その潮目が変わってきます。

Usher、客演キングとして再降臨。

2015年あたりを皮切りに、若手R&Bシンガーとのコラボレーションが増えてきます。





そして、どれもちゃんと売れるからやっぱりレジェンドはすごい。




さて、今回はこのUsher再降臨現象の中でも、
ファンにはたまらない!胸アツ!な楽曲を取り上げたいと思います。
(やっと本題)

今回のフレーズはこちら。
“You make me wanna come through quarter after two”
Come Thru – Summer Walker & Usher (2019) より
※”thru” = “through” です!


余談ですが、このMVは #1 で紹介した Aaliyah の “One in a Million” という曲のMVのオマージュです。見比べてみてください!

このフレーズを直訳してみます。

「2時15分、あなたは私を切り抜けたくさせる」

…ちょっと何言ってるかわかんないですね。
そう、今回はとっても訳しづらい、使役の用法がテーマ!
[前編] と [後編] の2回にわたってお届けします!

普段、日常会話ではなかなか使うことのない「使役」という言葉。
試しに辞書を引いてみると、

「文法で、ある行為を他人に行わせることを表す言い方」

とあります(出典:大辞泉)
英語の授業では、よく「~させる」と説明されるアレです。

使役の役割を果たす動詞のことを使役動詞といいますが、
代表的な使役動詞には make, let, have などがあります。

中でも、いちばん強制力の大きい使役動詞が make 
これを使って使役構文をつくると、

make + 〈人〉 + V = 「(無理やり)〈人〉にVさせる」

という意味になります。(V = 動詞の原形)
今回のフレーズで使役にあたる部分は、

“make me wanna”

ですね。訳すと、「私をしたくさせる」。
私に何をしたくさせるのかというと、
“come through” したくさせるのです。

この “come through” が、まあ訳しづらいったらありゃしない。
次回は、 “come through” の 解釈にかかわる
前後関係(コンテクスト)を見てみようと思います。



[後編] へつづく

文/編集Y

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