アカネのミッドナイト・リリックス #1

おやすみ前のチルタイム。
アメリカ音楽を研究していた編集Yが、
メロウな洋楽と、ちょっとためになる英語表現をご紹介。




“Age ain’t nothing but a number”
Age Ain’t Nothing But a Number – Aaliyah (1994)



第1回目は、言わずと知れた90’s クラシックの一曲から。
同名のアルバムは、当時15歳(!)のAaliyah(アリーヤ)のデビュー作で、
敏腕プロデューサーとして名を馳せていたR. Kelly
(今やすっかりその面影はなくなってしまいましたね・・・。気になる方は「R・ケリー 裁判」で検索)
のプロデュースによるもの。
15歳とは思えない歌声で、アメリカではダブルプラチナディスクを獲得しています。


さて、タイトルのフレーズですが、
直訳すると「年齢は数字にほかならない」
ちょっと意訳すると、「年齢なんてただの数字」となります。

ここでは “nothing but” 「ただ…のみ,…にほかならない」
というイディオム(慣用句)が使われていますね。

おや?

それじゃあ “Age is nothing but a number” や、
もっとシンプルに “Age is just a number” などでいいのでは…?

いえ、よくないんです。
今日のポイントはここ!

“ain’t” ×〈否定〉≠肯定
“ain’t” = “are not,” “am not,” “is not” です。
〈否定〉とは、 “no” や “not,” “never ,” もちろん “nothing” も含まれる、
何かを否定したり打ち消したりするときに使う語のことですね。

このように、否定が重複した表現のことを二重否定と言いますが、
この用法は日本語でもしばしば使われますよね。
(「笑わずにはいられない」など)

日本語の二重否定が強い肯定を表すのに対して、
英語の場合はというと・・・ひと筋縄ではいかないのです。

今回の “ain’t” ×〈否定〉≠肯定 は、
黒人英語African American Vernacular English、頭文字をとってAAVEと呼ばれます)
によく見られる用法で、ほとんどの場合、単なる否定を表します。

なので、今回のフレーズ
“Age ain’t nothing but a number” では、
“ain’t” を入れることによって「…にほかならない」
というニュアンスを強めているんですね。

15歳の少女が抜群の歌唱力と表現力で「年齢なんてただの数字」と歌う姿に、
多くの人々が圧倒、魅了されたことは言うまでもありません。
ちなみに作詞は R. Kelly です。うーん、罪深すぎる。



文/編集Y

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