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概要

S1609

岡山県の南西端、7つの有人島をもつ笠岡諸島の中でも本州に最も近い高島は、島内に商店も学校もない小さな島。そんな島の名物食材をギュッと弁当箱に詰め込んだのが、駅弁ならぬこの「しまべん」。もともとは2005年のテレビ番組がきっかけで始まった島おこしプロジェクトで、笠岡各島のお母さんたちがアイデアを出し合い、競い合うように個性豊かな味わいの6つのしまべんが完成した。「当時はテレビやら雑誌やらに出て、とにかく大変じゃった。1日に150個ぐらい作ったこともあったなぁ」と振り返るのは、高島のしまべんを考案したメンバーの一人、竹田洋子さん(写真)。プロジェクトが終わって11年が経過。半数以上の島が弁当の製造を中止し、残っているのは二島のみ。幻のしまべんと呼ばれるようになった今でも、中身や形をアップデートしながら作り続けている。現在のしまべんは、漁業の島らしく魚介をメインにした「多幸(たこ)盛り弁当」。干したタコではなく、生きたタコを豪快にさばいて炊いた新鮮なタコ飯は、プリプリとした身の食感と薄味のだしがどこか懐かしい。おかずもグチ、コチ、エビ、イカ、など豪華な魚介三昧!  「お米とカマボコ以外は全部高島の食材なんよ。今はまとまって注文が入った時だけしか作らんのやけど、これを見て島に来てくれる人が増えたらいいなぁ思てね」。竹田さんが営む民宿は、すぐ裏にビーチもあるので、海を見ながら食べるのもおすすめです。笠岡諸島で生まれた幻の”しまべん“って?巻頭MAP(P8・9)&時刻表(P10・11)3451