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概要

S1605

18禁歌川国貞《花鳥餘情 吾妻源氏》天保8年 国際日本文化研究センター蔵円山応挙《すゑつむはな》原本 江戸時代(18世紀)・1帖・国際日本文化研究センター蔵蹄斎北馬《相愛の図屏風》文化12~文政13(1815~30)・2曲1隻・平戸千里ヶ浜温泉ホテル蘭風蔵月岡雪鼎《四季画巻》安永年間(1772~81)1巻・ミカエル・フォーニッツコレクション蔵 海外での評価とは裏腹に、日本国内での本格的な展覧会は、昨年、東京の永青文庫で開かれた「春画展」が史上初。それも、18歳未満は入館お断り。日本美術史の革命とも言うべきこの展覧会が、京都は細見美術館に祝・巡回。学芸員歴約20年の伊藤さんいわく、今回の展示開催に至るには異例の奮闘があったとか。 「〝春画も美術の一つのジャルである?と、当館のような小さな美術館が宣言したところで、来館者の方々に『エロだ』『わいせつだ』と言われたら、どう説明するか? という点などが特に頭を悩ませました。春画に対するさまざまな意見があり、なかなか進まないことも多く、悶々と準備していましたね。普段の展覧会以上に、当館で開催する意義を考え、今回はとことん腹を括らなきゃやり切れない! と(笑)。でも、作品を見るうちに、さまざまな魅力・見どころがあることを知り、ようやく自分の言葉で、楽しさを伝えられるようになりました」。 東京は、3カ月で21万人の入場者数を記録する大盛況。細見美術館主任学芸員伊藤京子さん2002 年にはフィンランドのヘルシンキ市立美術館、2013 年にはイギリスの大英博物館が春画に焦点を当てた展覧会を開催。実は、春画は世界から熱視線を浴びる日本美術の一つなんです。ヨーロッパで絶大な評価を受けるニッポンのSHUNGA中国の性愛の手引書「偃息図(おそくず)」の影響を受け、平安時代後期より描かれていたとされる日本の春画。当時の原画は見つかっていないが、その模写は現存。京都を舞台にした春画も多い。日本の春画のはじまりは京に都があった平安時代とも学芸員としてここまで腹を括る体験は今回の展示が初めて!西洋文化が入る明治期まで、“人間の性愛は愛でるべき楽しむべきもの”とされ、春画は老若男女が親しむ芸術だった。かつての日本は、性に対しておおらかな国だったのかも。東京に続く巡回展ながら、なかには京都会場限定の作品も。縦横ともに1m以上はある屏風に男女の性愛を描いた巨大春画の他、京の浮世絵師である西川祐尹(すけただ)の肉筆春画、近現代の京都画壇にも系譜を残す円山応挙の浮世絵春画など、上方絵師による作品も多数並ぶ。肉筆春画ならではの“紅さし”と呼ばれる技法で、女性のほおをうっすらと赤らめてツヤやかな色気を演出したり、明るい紅色の着物をまとった女性は若い娘であることを表現したり。鮮やかな色遣いは美しさだけでなく、物語を想像させる要素の一つ。錦絵春画に見られる凹凸加工“空摺(からずり)”も必見!春画は、みんなで愛でるもの。昔は性に対しておおらかだった!?『春画展』@細見美術館開催中~4月10日(日)?075-752-5555京都市左京区岡崎最勝寺町6-3午前10時~午後6時(入場は1時間前まで)月曜休み(ただし、3/21、4/4は開館)1,500円(18歳未満は入館禁止要年齢のわかる身分証)http://www.emuseum.or.jp地下鉄東山駅から徒歩7分MAP→P50京都・岡崎8