ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

higaeri_arukutabi

 かつて、都で世俗化した奈良仏教を厭う僧たちが、隠棲の地とした当尾。いわば、ここは都近くの聖域。結ばれた草庵は、やがて寺院となり、周囲に数多くの子院や塔頭が建立された。なかでも?浄瑠璃寺???岩船寺?の南部一帯は、当時の名残がいまも息づく。穏やかな里山に開かれたささやかな古道を行けば、そうした小寺院の本尊として造られた磨ま がいぶつ崖仏をはじめ、大きさや作風も様々な石仏群が佇む。「ふだん、歩くことは皆無」という東 學さんは、繊細な筆線で気迫に満ちた女性や神仏を描く奇才。完成された作品だけでなく、即興力が要のライブペインティングにも定評がある。そんな學さんがトレードマークの作務衣姿で古道を學さんが描くのは阿弥陀如来坐像。実は左側面にも地蔵菩薩さまがこっそり。仏前にはいまも心を寄せる人々が供えたお花も飾られていた。微笑をたたえるお顔から、「わらい仏」の愛称を持つ阿弥陀三尊磨崖仏。屋根岩に守られているためか、鎌倉時代作とは信じがたいほど状態が美しい当尾の名石仏のひとつ。浄瑠璃寺「九体寺さん」の名で親しまれる古刹。浄土へ導く9体の阿弥陀さまを〝対岸?から拝む。あたご灯籠まるでツノ!? 至極シンプルな造形が目を惹く石灯籠は、三叉路に建つ道しるべ的な存在。藪の中三尊磨崖仏うっかり見逃しそうな茂みの中に…発見! 当尾の在銘石仏の中では最古の弘長2年(1262)作。「この仏さん、笑てるな」「歪んではるのも自然のままに」阿弥陀三尊磨崖仏 阿弥陀・地蔵磨崖仏54