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概要

kansai_teraasobi

ひとつの寺で一日を過ごすのもいいけれど、歴史でも、人物でも、気になるテーマに合わせて、関連する寺を一気にハシゴするのもまた一興。ここでは、仏像にまつわる3つの旅をご紹介します。文/村田恵里佳 編集部 撮影/バンリ 西岡 潔テーマでめぐる寺トリップ 日本全国、それもいささか辺境の地を旅しながら、仏像を刻み続けた江戸時代後期の遊行僧、木もく喰じき上人。木喰とは、肉はもちろん、五穀や火食すら絶ち、木の実や山菜、そば粉などを常食とする木食戒を受けた僧のこと。享保3年(1718)に甲斐国(山梨)で生まれ、22歳で出家。これも修行と、日本を廻国しながら造像を始めたのは齢60を過ぎた頃。生涯を閉じる93歳まで千体以上の仏像を彫り上げた、破格の上人であり彫刻家である。そんな木喰上人が、明みょうまん満仙人と名乗る最晩年に訪れた摂津?丹波地方。民藝運動の父、柳やなぎ宗むね悦よしがその美を見出したことでも知られる木喰仏が、寺や個人宅で大切に守られている。なんて愉快な冥界だろう愛らしい群像仏114