ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

teshigototabi

う つわの装飾技法と釉薬について知る。技法や釉薬による装いは千差万別。好きな装いについて知ると、お店の人と話すのも、うつわを選ぶのも一段と楽しくなる。前野直史 作太田哲三・圭窯 作まさひろ工房 作五十嵐元次 作飴あめゆう釉薬釉灰釉をベースに、鉱物などを加えることで褐色を出す釉薬。全国各地で使われる最も一般的な釉薬のひとつ。呉ごすゆう釉薬須釉深いコバルトブルーの色を出す釉薬。鉱物系の顔料で、さまざまな作り手に使われる。瑠璃釉という呼び名も。青せいじゆう釉薬磁釉灰釉に酸化鉄を加え、青緑色を出す釉薬。中国で発達し広まったもの。同じ釉薬でも焼き方によって黄褐色にもなる。透とうめいゆう釉薬明釉さまざまな釉薬のベースとなる、透明度の高い釉薬。焼いた土そのものの、素地の色を楽しむことができる。うつわに模様を施すための方法は多種多様。複数の釉薬を組み合わせたり、彫りを入れるなどさまざまな方法がある。うつわに装いを施す技法三さんさい彩?多色の釉薬をかけ分ける技法。写真は飴釉、緑釉、糠白釉で3つの色を見せている。打うちはけめち刷毛目?ろくろで回転するうつわに釉薬や化粧土をつけた刷毛で模様をつける。絵付け?陶磁器に色のある釉薬で鮮やかな絵を描き、再び焼いて色を定着させる技法。飛とびかんなび鉋?ろくろで回転するうつわの側面に鉋などを当て、リズミカルな模様を出す技法。練り上げ?複数の色粘土を組み合わせてうつわを成形することで模様を作る技法。スリップウェア?泥状の化粧土を使い、スポイトで模様を描く。元はイギリスの技法。表面にかけて焼くことで吸水性を抑えてくれる薬。原料となる植物や鉱物により、美しい色を出すことも大きな役割。色と質感を決める釉薬灰はいゆう釉?木や藁など植物の灰を材料とした釉薬。含まれる成分の違いでさまざまな色を出す。黒くろゆう釉?灰釉に酸化鉄を加えてできる。美濃・瀬戸で焼かれた「瀬戸黒」などが有名な釉薬。緑りょくゆう釉?透明釉に酸化銅を加えてできる。美濃の織部焼に多く使われ、「織部釉」との呼び名も。海なまこゆう鼠釉?藁の灰を原料とする灰釉。青の濃淡や白、赤の混じった複雑な模様が特徴。飴あめゆう釉?素地に色があると、黒みがかった褐色になる。同じ窯で焼いてもさまざまな濃淡に。粉こひき引?白い化粧土をかけ、上から透明釉をかけて焼く。「粉を引いたように白い」のでこの名に。18世紀頃にイギリスでよく用いられた技法で、民藝運動の先達の尽力で今に伝えられる。ここ数年、作り手が全国で急増中。技法スリップウェア素地の全体に化粧土を施し、素早く指で模様を描く技法。人の指が作る、柔らかくおおらかな模様が人気。技法指ゆびがき描筒状の入れ物から化粧土や釉薬を絞り出し、うつわの表面に模様をつける技法。立体的な模様が特徴的。技法イッチンうつわの表面を鉋などで面状にそぎ落とし、刀の“しのぎ”の部分に似た稜線の模様を作る技法。技法しのぎ103