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概要

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43徳川将軍家の繁栄を願う、特別な庭。 江戸時代初期の大名で茶人。幕府の作事奉行として、宮廷、寺院、武家など多くの建築や造園を手がけた。作庭を組織的におこなって優秀な技術者を養成したことから、徳川幕府のテクノクラート(技術官僚)と言える。伝・遠州作の庭園は全国に多数あるが、確実に遠州が関与したとされるのは、ここで紹介するふたつのほか、仙洞御所庭園の一部のみ。 庭園の中に直線や曲線・曲面など人工的なデザインを大胆に取り入れた、自然と人工の対比が、彼の作庭の特徴。宮廷庭園の工事にも携わっていたため、古典文化復興の時流に乗った〝雅さ?もプラスされている。後世に〝綺麗さび?とも呼ばれた、〝遠州好み?の斬新な美意識を感じてほしい。●京都市左京区南禅寺福地町86-12 2075-771-35118:30~17:00(12~2月は~16:30) 無休 拝観料700円 寛永9年(1632)、以心崇伝の依頼を受けて小堀遠州が設計。「鶴亀の庭」とも呼ばれる。遠州が関わった確証のある、数少ない庭園のひとつ。徳川将軍家の繁栄を願う空間という特別な意味をもち、家康を祀る東照宮を拝むことに重きを置く。大型の礼拝石を中心に、その東西にめでたさを表現する石組の亀島と鶴島を置いた。 礼拝石の背後に遠山を象徴する石組を配し、後方に大刈込、さらにその奥に東照宮を望むことで、祝儀の空間を成立させている。南なんぜんじこんちいんていえん禅寺金地院庭園[南禅寺] map P8 D-3小こ堀ぼり遠えん州しゅう(1579?1647)●京都市中京区二条通堀川西入ル二条城町541 2075-841-0096(京都市元離宮二条城事務所)8:45~17:00(最終入城16:00、二の丸御殿観覧時間9:00~16:00) 7・8月の火曜休(休日の場合は翌日休、12・1月の火曜は二の丸御殿内の観覧不可) 入城料金600円 寛永3年(1626)、後水尾天皇行幸の際に小堀遠州が改修したと伝えられる。護岸石組や築山の景石に色彩豊かな大石を多用、ソテツを植栽するなど、江戸初期の豪華な庭園デザインが特徴。書院座敷から鑑賞するときの庭景を意識した書院造庭園の典型で、どの角度からみても様になる豪華さが魅力。二条城二の丸庭園[ 二条城] map P7 B-3神仙蓬莱の世界を表す「八陣の庭」。