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概要

ecotrip_kyoto

???泊まるやってみる味わう買う知る・学ぶ昭和4年より、花街の上七軒で味を磨いてきたうどん店。賀茂ねぎのぶつ切りを山盛りのせた冬のねぎうどんも楽しみ。●上京区真盛町719 2075-461-4573 11:00~18:45 水曜休(25日の場合は営業、振替休あり)上七軒ふた葉[上七軒]明治元年の創業時には食堂的な店だったが、先代が江戸の蕎麦文化を京都に広めたいと修業、蕎麦専門店に。ミニとろろ飯などのご飯メニューも豊富。●中京区三条通寺町東入ル12 2075-221-3030 11:00~21:00 無休本家田た毎ごと三条本店[三条寺町] 新聞でも、教科書でも、大事なことはいつも1行目に書いてある。京都のおうどん屋さんの品書きも然り。短冊でも、メニュー表でも、一番右もしくは一番上の行に書かれているのは「うどん」である。この場合のうどんとは、いわゆる「すうどん」のこと。またの名を「かけうどん」。要は、麺におつゆをかけたプレーンなうどんである。具は、刻んだ青ネギか、そこにかまぼこ1切れが加わる程度だ。 京都の人は、これを好む。ある時は丼物や寿司に不可欠な汁物として。ある時は食欲のない日の滋養食として。コシのないやわやわうどんは、だしをすする行為を妨げることなく、その旨みも吸ってくれる最高の相棒だ。京都の人々はだしを飲みにおうどん屋さんに向かうのであり、すうどんは好みのだしを探すための試金石なのだ。 今回は「このだしの味、家では出せないなあ」と日頃から感じている2軒のすうどんを選んだ。[上七軒ふた葉]は、京都の典型的な麺丼屋さん。夏は九条ネギ、冬は賀茂ネギがのる「うどん」のだしは、かつおと昆布のきれいな旨みが印象的だ。たっぷりの花がつおでサッとだしをとるのが、その秘訣らしい。丼物と一緒に食べるお客さんのために、すうどんだけ器が小ぶりなのも気が利いている。[本家田毎 三条本店]の、柚子香る「かけうどん」もいい。ここは本来、蕎麦の店だが、根強いうどんへの需要があり、しっぽくからたぬきまで、京都らしいうどんを揃えている。品書きにはないが、頼めば「かけうどん」もしてくれる。5、6年寝かせた利尻昆布と、蕎麦つゆ式に厚めに削った本がつおでとる「まったるい」だしが、実に独特。ワサビと白ネギが添えられるのも蕎麦屋さんならではだ。 ちなみにこの頁の1行目に書いた見出しは、一年365日麺ものを欠かさない善良な京都市民(父)が発した「うどんはやっぱり、すうどんに始まり、すうどんに終わるなあ」という一言から引用したもの。その手元にはもちろん、ネギとだし香るすうどんがありました。うどん取材・文/姜 尚美 写真/内藤貞保すうどんに始まり、すうどんに終わるmap P106 6-Bmap P105 2-G