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概要

temiyage_kansai_2014

G i o n 10祇園 観光客でにぎわう、八坂神社の石段下。京都で最もわかりやすい目印かもしれない。暖簾をくぐるとすぐカウンター越しに職人さんが立つ板場。注文に応じて手際よく仕上げていく小気味好い様子に、待つ間もわくわくと楽しい。天明年間創業の鯖寿司の名店?いづう?からの暖簾分けで、初代・重吉が始めたから、?いづ重?。明治末年創業、昭和23年に八坂神社のお向かいへ。奥に続く客席の、さらにその奥におくどさんがある店の造りはいかにも京都な鰻の寝床。年季が入ったおくどさんは今なお現役だ。朝から薪がくべられ火を絶やさず、酢飯にするご飯も、おいなりさんのおあげもここで炊き上げる。 「昔のように薪釜を続けていくのは大変です。でも乾物は特に炊き上がりが違うからしょうがないね」と、ご主人の北村典生さん。ご飯にふっくらと火が入り、おあげに旨みがじっくりと染み込む。持ち帰ってからも美味しいのが薪釜の力だ。 客足が途絶えることなく次々と折詰が用意され、客席に大皿が運ばれていく。手みやげとして、観劇のお供に、旅行者が新幹線やホテルでつまむにもちょうどいい。定番から季節の味まで様々に揃うが、ツウな注文はいづ重の折詰取材・文/宮下亜紀写真/沖本 明(上)入ってすぐの板場は活気にあふれ、わくわく。持ち帰りの注文はここで。(左下)状況を見ながらご飯を炊いて、酢飯を作る。