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概要

kansai_tera

15 仏像 B u t s u z o 空前のイケメン仏像ブーム! といわれる昨今。アイドル系の美少年などさまざまなタイプがあるなか、ワイルドな男の色気で迫ってくるのが當麻寺の金堂に構える四天王だ。 猛々しい増ぞうちょう長天、貫禄のある持じ こ国く天、クールな広こうもく目天は白鳳時代の作で、日本最古の乾漆像とされるもの。鎌倉時代に後補された多た もん聞天も加え、いずれも負けず劣らずのハンサム揃いなのだ。共通するのは切れ長の大きな目、高い鼻、そして顎に當麻寺 [奈良・葛城]たくわえた無精ひげ(!)という日本人離れした顔立ち。その理由は、四天王像がもたらされた奈良時代、大陸から都への通り道にあった當麻寺ゆえに、いち早く異国テイストのまま上陸したからなのだとか。 ちなみに四天王といえば仏様を守る、いわばガードマン的存在。武装姿をさらに凛々しく見せる直立姿勢とマッチョな肉体も魅惑的で…。全身から溢れんばかりの男気フェロモンに、男は憧れ、女が惚れるのだ。取材・文/辻 歌 写真/バンリ弥勒仏を中心に、東西南北を守護するよう立つ四天王像。荒ぶるポーズではなく直立不動なのは古い時代の特徴だが、威厳の強調にも(上)。右端から、顔立ちのみならず、甲冑も大陸的な、おしゃれデザイン。コワモテ四天王に踏みつけられる、愛嬌のある表情の邪鬼とのコンビも必見。濃い系イケメン、ヒゲメン四天王