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概要

kansai_tera

105 寺を体験する B u t s u z o 七宝瀧寺は、修験道の開祖・役小角が開山した日本最古の霊場だ。険しい山道には蜂もいれば蛇もいる。足を一歩踏み外せば命を失う難所が続く。炎天下、汗はとめどなく頬を伝った。「自分の足を信じて」と、前を歩く行者さんが振り返らずに言う。 山から戻ると、次は滝行が待っている。弘法大師も修行したと伝わる〝行者の滝?の水は想像以上に冷たく、体はガクガクと震え、呼吸もうまくできない。修行と聞いて自分がイメージしていた「無の境地」にはほど遠かったようだ。 もちろん一日の体験で悟れることは少ない。しかし、感じることはできる。圧倒的なスケールの大自然の前で、これまで正しいと思っていた都会の価値観が必ずしもそうでないことを知る。便利な生活とともに、どこかいびつになり始めていた体や心の存在にふと気づく。「自分の足を信じて」。シンプルなこの言葉が、今も胸の中に強く響いている。犬鳴山 七宝瀧寺?大阪・泉佐野?取材・文/小島ケイタニーラブ写真/赤阪友昭山をかきわけ、滝に打たれ、太古の森で腰抜かす。本尊の前で安全祈願。法螺貝の美しい響きにうっとりするが、感動に浸る暇はない。過酷な修行が待っているのだ。山道を案内してくれるのは、大先達の冨士宝功さんと西山宗明さん。鳥居をくぐる前にもう一度しっかりと安全祈願してもらい、修行者一行、いざ山へ!音楽家・歌手。心ときめく音を探して暇があれば旅に出る。東京・レイニーデイブックストアで毎月11日にイベント「ラブナイト」を開催。歌と旅の報告をしています。www.keitaney.com修行する人小島ケイタニーラブ山道の険しい箇所には鎖が張られている。足を滑らせないように、鎖につかまり急な勾配を恐る恐る進む。岩を蹴落としてしまったときは、後に続く人たちのために「岩が落ちたぞー」と叫ぶのも大事なルールだ。鐘かねかけいわ掛岩鎖行場すいません、もう少しゆっくり歩いて…