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概要

shiga_bon2014

 徳山浩明さんは、幼少の頃から余呉湖周辺の山で遊んで育ち、京都で料理人となって帰郷した方。余呉湖で自ら獲ったニゴロブナで鮒ふなずし鮓を漬け、サバの熟なれずし鮓、自家製カラスミさえも発酵させる。春は山菜、夏は鮎、秋冬には熊や鹿などジビエも登場し、一度だけの訪問では、その土地のことが分からないように、この宿、すなわち余呉の旬は知り尽くせない。 鏡湖とも呼ばれる余呉の風景、フナやモロコ、山菜やジビエなど、旬の物とそれを保存することから始まった発酵の美食。そしてその皿から沸き立つ香りと、ご主人の食に対する姿勢や気持ちごと、晴れ渡った風景のように、鮮明に記憶に焼き付けられた。春夏秋冬、風景が変わるように、ここには湖国の旨みが沸き立っている。余呉湖の魅力に溢れた、食材と発酵の世界。徳とくやまずし山鮓 [余呉] map P16 C-4 発酵学者の小泉武夫氏との出会いから発酵の世界にのめり込んだという徳山さん。お酒は木ノ本の「七本鎗」(P53)、それも特別純米が鮒鮓などの発酵料理との相性もいいのだそうで。昼8,600円~、夜10,800円~。1泊2食22,000円~。湖北の料理人宿は、唯一無二の自然の宿。●長浜市余呉町川並140820749-86-404512:00~14:3018:00~21:00不定休 P5台腹を割かずにワタを取り、塩漬けしたフナ。さらに干した後、米に漬ける。「多数の発酵菌がおいしくしてくれるんです」と。写真左上から時計回り、秋冬の熊鍋は、脂しっとりプルリで美肌に。手作りのカラスミも、発酵させて酸味と旨みを引き立てる。スッポンの煮こごりは鰻の骨でとったダシと山椒の風味。サバの熟鮓には岡山[吉田牧場]のカチョカバロとトマトピュレ。鮒鮓のアイスクリームにも仰天。ヨーグルトのような香り。鮒鮓は、茶漬けにしても最高のごちそうに。63