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概要

M1707

26家庭料理 小川盛り場を見守るふたつの眼差し。いつも温かく包み込んでくれる両親。道から外れそうになったとき正しく導いてくれる良心。賑やかな京橋で、ふたつの〝りょうしん?を見つけた。取材・文/ロマン 写真/エレファント・タカ 立ち呑みに角打ち、お姉ちゃんが呼び込みをするガールズバー。「これが京橋のA面や!」と、言わんばかりのゴキゲンな喧騒。そのせいか、路地裏に隠れた?家庭料理 小川?のような心地いい場所を見逃しそうになる。BGMはうっすら聞こえるTVの野球中継。手入れの行き届いた白木のカウンターに椅子が8席並ぶこぢんまりした空間。ほんまにココ京橋なん? と疑う、正統派ド真ん中な佇まいこそが街場の隠れたB面だ。もとは、女将の弘子さんのお母さんがオーナーを務めた女将店?やっこ?が起源で、歴史は60年を越えるという。2000年にそれを引き継ぐ形で?家庭料理 小川?の屋号を据え、リスタートを切った。弘子さんはおばんざいなどの仕込みを担当し、「男の人には、見せ場が必要やからね」と、炒めものやゴハンものは大将の悟さんが。料理の味はもちろん折り紙付きだ。先代の女将譲りの軽妙なトークと歯に絹着せぬ物言いもアッパレのひと言。帰り際には「若いうちは、一生懸命がんばらなあかんで!」と、笑顔をそっとお土産に。ふたりの溢れる“りょうしん”は擦れた心に沁みる。女将と大将に会いたくて。路地裏に佇む街のオアシス。