ブックタイトルM1702

概要

M1702

18　なんといいこと尽くしな街か、日高町。白浜よりかなり近いのに、その陰に隠れるからか、ザ・温泉街の喧噪はまるで無縁。雄大な湾に溶け込むように佇む温泉?みちしおの湯?は、少々お客が入っても、大自然を貸し切るような風情でチルアウトできる南紀の究極の穴場温泉だ。　そして日高町といえば、クエ漁の聖地。今やグルマンの間では時に「フグより旨いのは公然の秘密」とさえ語られる天然本クエが?割烹 岬?の目前、比井崎漁港に次々揚がる。まず衝撃なのは「基本10㎏級以上のクエしか出さない」という気概。大阪や京都ではしかるべき割烹でも4?6㎏が「大物です」なんて出たりするが、?割烹 岬?の女将いわく「クエは10㎏ 以上やないと美味しないねぇ。うちで出すのは一番いいサイズ、20?30㎏のやね」とサラリ。刺し身で、厚切りにして鍋で。全身に響く、澄んだ力強いコク。その味の幸せで、まるで頭の中に熱々の温泉が湧いたような心地になった。地元では10㎏以上! が鉄則。味わいの噴出も温泉級!?露天風呂に届くのは、この波の音と潮風。日高町でクエと昇天。湾の奥にポツンと見えるのが［温泉館「海の里」みちしおの湯］。周囲の海と山をまるごと貸し切るような雄大なスケール感が全ての湯舟で味わえる。取材・文／寺下光彦　撮影／岡本佳樹天然本クエの聖地は、実は白浜よりもさらに近かった。そしてその湾の懐には、潮の香る絶景湯も潜んでいる。旬の今、片道2時間弱でたどり着ける極楽へ、いざ直行!割烹 岬いきいき酒場温泉館「海の里」みちしおの湯志賀189188422424JR紀勢本線御坊紀伊内原蟻島車で8分