ブックタイトルM1702

概要

M1702

守山　湖東の街・守山は、今や京都・大阪のベッドタウンとして年々人口も増加中。そんな駅前から徒歩圏内にある?ほたるの湯?は、自家源泉の大型温泉施設。総木造のあたたかみある建物に、梅の木を配した中庭に枯山水まで。少しぬるりとした肌触りの温泉で、大浴場の奥には、広々とした露天風呂、寝転び湯、湯上がりに休めるシートまで設置されているから、入っては出てを何度も繰り返せば、全身の筋肉すべてがフニャリ。続いてメシ飲みなら駅前と、守山駅東口のワイン食堂?agap e?へ。湖南出身の店主・金田さんが、京都や大阪のホテルフレンチなどを経てこの地で店を開いて早３年。「まだまだですよ」と謙遜されるが、地元ワイン熱はジワジワと沸いている様子。クールダウンには駅西口の?BAR A.ASHIHARA?。街場を経験したマスターのトークに、心身ともほだされて、「いっそ住む」という選択肢も湯煙のごとく頭上に立ち昇った。長閑なベッドタウンの駅前完結、極近温泉とお酒天国。●源泉名…… 守山天然温泉●泉質…… 単純温泉(低張性・　弱アルカリ性・低温泉)●pH値…… 7.70BAR agapeA.ASHIHARAほたるの湯　守山駅から徒歩１分の立地で、飲み心地の良い自然な造りのワインを多数用意する驚きの存在。ワインだけでなく、料理に用いる野菜も彦根はじめ県産物を極力取り入れる。とはいえスペシャリテには肉感溢れる自家製ソーセージや牛肉の赤ワイン煮込みなど、旨み濃ゆ～いインパクトある皿ばかり。欧風小皿料理は、前菜～シメにデザートまで、男女とも満足感たっぷりの品揃え。ビニシーのテラス席もあり。　店主・蘆原篤史さんは、滋賀や関東のバーやバーラウンジなどを経験した後に16年前に開店。あえてビル３階を選んだというのも、ゆったりとした時間を提供したいがため。カクテルは、客の好みでベースの酒を変えるなど、細やかな気配りも盛り込む。季節のフルーツのカクテルには「味濃いのを選びました」というイチゴをたっぷり。マデラ酒など酒談義にも街場トークにもキレがある味わい深き貴重な場所なのだ。　スーパー銭湯ではなくコンセプトは「本格的な日帰り温泉」を掲げ、比良山系、鈴鹿山系、古琵琶湖層を通り抜けた、ぬるぬる感ある美人の湯を自家湧出。足湯付き蒸気サウナ（女性は塩サウナ）など風呂も内外９種類。キンと冷えた空気の中、露天風呂で温まりたい。夜空を眺めれば都心部よりも星がキラリ、月明かりもクリアで風情たっぷり。朝から夜まで居たくなるぬくもりの空間。彦根野菜のラタトゥユ650円は常時7～8種の野菜を使用。国産豚肉とハーブや香味野菜を用いた自家製ソーセージ680円。ポテトのピュレも丁寧な仕事ぶり。イチゴのカクテル1,300円は、果実感をしっかり残しながらもベースをバーボンにして、柑橘の酸味を加えキリリとした飲み口で甘過ぎない仕上がりに。露天風呂のそばに設置された寝転び湯。畳状のシートの上に深さ数センチの湯が張ってあり、これまた長湯必至の特等席だ。施設充実の本格的日帰り温泉。駅前雑居ビルに隠れた街の要衝。自然派揃いの駅前ワイン食堂。取材・文／曽束政昭　写真／塩崎聰　藤田晃史39