ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

M1702

大阪から新快速で40分の大津と、1時間弱の守山。ふたつの駅を拠点に巡れば、ナイスビューな温泉と乾杯は簡単お気軽。休日の昼過ぎに思い立っても余裕の列車に、さぁライドオン!電車で巡る〈湯〉〈飯〉〈酒〉の、プチツアー。大津・石山 江戸から来れば京都の一歩手前の宿場町であった大津。そこから電車ですぐの石山は、宇治川、淀川へ続く瀬田川の始まりの地だ。瀬田はシジミの産地としても名高いが、水量豊かだった時代には船遊びなども行われたという。その瀬田川畔にある?二葉屋?は、南郷洗堰と瀬田川の風景を眺めながら、湯に浸れる温泉旅館。ついさっきまで居た大阪までこの水が流れていくのだなぁと、時間がゆったりと過ぎていく。浴後は大津市街地でのメシ飲みといこう。商店街のアーケード内にある『浅茅生』の酒蔵?平井商店?で造りたてのフレッシュな酒を試飲購入したら、途中鮒寿司や川魚の佃煮などを販売する?元祖阪本屋?で帰宅後のアテまで買えた。そして、小旅行のラストは居酒屋?四つ辻の辻一?へ。『浅茅生』ほか滋賀の地酒と温泉で弛んだ顔がさらにゆるゆる。湖国にちなんだ料理や酒肴も揃う酒場でほぐれまくりの夜。終電まで時間の許す限り飲みたくなる。琵琶湖の付け根でゆるりと過ごす温泉と地酒の妙味。●源泉名…… 石山南郷温泉 ●泉質…… 単純弱放射能     冷鉱泉●pH値…… 6.36平井商店四つ辻の辻一二葉屋 店主・辻一義さんは県内外の酒屋に足を運び、滋賀の18蔵を含む約50蔵の酒を揃える。試験酒まで入手しては提供するなど、攻めたラインアップだが「日本酒にはまったのは、お客さんらがアレもコレも旨い、と教えてくれたのが始まり」と、謙遜して笑う辻さん。「ゴリ推しせず訊かれたら答える」ほどよい距離感もたまらなく心地よい。好みの酒を伝えれば、期待以上のリターンエースが返球されるゆえ、ドンと受けとめたい。 1658年創業、17代目社長の平井八兵衛さん、娘の弘子さんと将太郎さんご夫婦が酒を造る丸屋町商店街内の蔵元。「すっきりとした味わいの食中酒、飲み飽きない酒造りを目指しています」と弘子さん。取材当日は酒造り真っ最中で、華やかな香りに包まれながらの試飲は現地ならではの楽しみ。京都の酒造メーカー出身の将太郎さんは「みずかがみと琵琶湖の貝の佃煮を合わせると最高です」など、酒トークも沸き立つ。 岩間寺山中から湧き出る冷泉を引く宿。瀬田川には渡り鳥が飛来し、遠景には湖南アルプス。無色透明でさらりとした泉質なれどラドン温泉特有の湯上がりに湯冷め知らず。ゆったりと流れゆく川面の景色と相まって、長湯必至で入浴後の脱力感とポッカポカ持続を満喫だ。露天でなくともこの開放感たっぷりの湯は、繁忙雑多な日常からすっかり脱却させてくれる特効薬のようで。飲用可ゆえ、湯上がりにまず一杯。堅田の[かしわの川中]から仕入れる淡海地鶏の塩焼き700円。皮目パリパリ、中はグイグイジュワリ。ひと切れでグラス一杯の酒が、「あっ」と言う間に消える。到着時にすぐリクエストしても用意してくれる温泉水。クセはなくするりと体内に収まる。神経痛などにもいいとされている。『浅あさぢお茅生』小蔵元のみずかがみ純米吟醸無濾過生原酒1,400円(720?)。食米でもある大津のみずかがみで醸した華やかな味わい。『浅茅生』酒造り三百三拾年 純米無濾過生原酒 しぼりたてうわずみ1,334円(720?)。県産米100%使用。みずみずしくあっさり系なれどアルコール度数17度。瀬田川と温泉に身を任せて蕩ける。大津の中心で酒を造る老舗蔵元。滋賀の酒愛溢れる隠れ居酒屋。38