ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

M1606

36STANDINGYAKINIKUWO N D E R 天満の立ち食い焼肉のパイオニア[ツギヱ]の2号店。上塩タン330円(S)、極上ハラミ480円(S)など、お手軽価格で焼肉を堪能できる。今年4月には京橋に3号店[ハルカ]をオープン。ちなみにこちらは座りで焼き鳥(!)。●大阪市北区天神橋5-6-22 丸山マンション1F 070-5659-0993 17:00?23:30(日・祝16:00?) 無休肉喰すすむ[大阪・天満]地下鉄堺筋線天神橋筋ぷららてんまサンクス扇町天満JR大阪環状線肉コラムニスト・浦朋恵が考えた。立って喰う肉は旨いか!?巷で、ジワジワと増えている立ち焼肉。「肉は座って食べるもん」なのか!?そこで焼肉偏差値の高い浦さんに、立って食べて考察してもらった。文/浦朋恵 写真/伊藤菜々子 目次のポッチャリこと『肉食ブリブリ』の浦です。えー、初めましての皆様にサクッと自己紹介させていただきますと、私、最近TV等で「肉コラムニスト」とご紹介していただくことも多いのですが、本業は「音楽家」ナンデス。バリトン・サックスをブリブリと吹いておりまして、作曲もします。で、ときどき歌ったりもしております(今度、歌モノのシングル盤出します!)。加えて日本橋の奥の細道で?ディドリー・ボウ?という飲み屋もやってマス。てへっ。 「私と焼肉」の関わり、というかその起原は私がこの世に生を受ける、ずーっと前まで遡ります。祖母が焼肉店を営んでいたので、幼少の頃から夏休みになると焼肉の匂いに包まれて店の手伝い(テッチャン洗い)をしておりました。だからかな? 調子がイイときも、そうでもない時も私のChange of Paceはいつも焼肉。なので焼肉を(マジで)食べるときはひとりで行くことが多く、誰かと一緒に行っても…ほとんど喋りません。黙々と肉を焼き、食べ、次の肉を注文し、焼き、食べる…を粛々と延々と繰り返すのです。私も気がつけば三十路半ばドンズバ、「はぁ、嫁に行きてえ」という年齢なのですが、こればっかりは止められないし、譲れないんだよね(彼氏とおちょぼ口でいただきますぅ、なんて焼肉は私には無理だー)。 エニウェイ。王貞治さんは高校時代に下半身を鍛えるために毎日「つま先立ち」で電車通学していたそうです。偉いな王ちゃん…と、いう訳で本日のお題は「立って食べる焼肉ってアリか? ナシか?」ナンデス。我が国の「立ち食い」といえば、代表格の「そば」や「鮨」のように江戸時代から屋台営業で栄えた飲食業が中心ですが、どうなんやろ? 立ち食いの焼肉って。焼肉はヘヴィな外食。男女がふたりっきりでソレに出かければ「ああ、あのふたりはもう…」と囁かれ、アイドルが好きな食べ物にソレをあげれば男子は何故か興奮する、 という神秘。焼肉=肉と炎(とビールとマッコリと白飯)の真剣勝負。なので焼肉に「立ち食い」という言葉の持つ軽やかさは絶対に似合わない。私にとって焼肉は、例えば駅の立ち食いそばのように移動中の小腹を満たすものではなく、ドッ尻と腰を据えて向き合うもの…果たして「立ち」でも感動出来るのか? 焼肉原理主義者の私をソレは満足させてくれるんやろか? そこで、出かけてみました、噂の立ち食い焼肉に。結論から言えばナルホド! コレはコレだよね。「立ち」ならではのテヘへ感がイイ塩梅にジュージューを包む新感覚やんかいさ。上司と行く居酒屋(の個室)は説教覚悟だけど、立ち呑みなら一緒に会社批判だコノヤロー! ですもんね。「焼肉を肴に立って呑む」という心地よい緩さ、コレ新鮮ですね。アメリカのスーパーでサラダ売り場に鮨が陳列されていたのを目撃?以来の目から鱗でした。ま、体重が体重(故に膝が膝)なもんで、私はやっぱり「座れるんだったら座りたい派」なんですが…ソレはソレ、コレはコレだね。ロースター(そう! 私は断然ガス派です)の前に陣取り、腰を落ち着けてガッツリ食べる焼肉とは似て非なる「全くの別物」として、これからは立ち食い焼肉も楽しめそうです。今回、天満の立ち食い焼肉をハシゴさせてもらってソレがよーくわかりました。気の置けない仲間ではなく、いまだチョットだけ緊張する人と一緒に「焼肉に行く」のなら、これからは「座り」ではなく「立ち」の方がいいかも! カウンター式のお店なら肩寄せ合うことで距離も縮まるし、韓国式ドラム缶テーブルのお店なら、そのエキゾ感を一緒にワクワク出来るかも、です。 ジュッと焼いて、サクっと食って、カっと飲んで「次、行ってみよう」と長さんみたいなダミ声で立ち食いの「ハシゴ肉」も楽しそう。止まり木感覚の焼肉がアリなんて思いもしなかったけど、考えてみれば音楽だってスピーカーの前に正座して古きファンキーなレコードをガッツリ聴くときもあれば、夜遊び場のガヤガヤの中で手練のDJにクスグラレルときもあるもんね。どっちも正解。で、どっちも楽しむためには座るからには座るときの、立つからには立つときの「心構え」が必要ナンデスよね。「立ち食い焼肉」、アリですね! こうなると後はもう「寝転び焼肉」しかないな。焼肉は、肉と炎の真剣勝負。尻と腰を据えて立ち向かうもの。立って焼いてみたら、新たな焼肉の大地が広がっていた。