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概要

M1503

41麻婆考察5全ての麻婆豆腐が、ご飯と相性が良いわけではないのかもしれない。麻婆考察5麻婆豆腐のキーマンは、辛さではなく豆腐なのかもしれない。1月19日(月)1月20日(火)1月21日(水) 1月25日(日)1月23日(金)1月22日(木)1月27日(火)1月30日(金) これまで食べた麻婆豆腐、21食。痺れ、辛み、食感、いずれも何かが際立ち私好みの一体感を感じられず、謎は深まるばかり…。が、ついに解決されたのは、以前、店主に一喝された天満?福龍園?の夜限定「四川超級麻婆豆腐」を食した時。口へ運ぶと、瞬時に強烈な痺れが走る!昼の麻婆とは訳が違う。山椒は具材と一緒に煮込んでいるのか、どこを食べても痺れに統一感あり。更に挽肉にはしょう油が染み込み旨みも申し分ないのだ。肝心の豆腐は、適度に角が崩れているおかげか絶妙に具材と絡む。求めていた一体感がそこにあった。すると「美味いやろ」と店主。「しょう油味効かせるのに、四川の豆板醤は塩分が強いから台湾産使ってるねん。味が濃いとご飯には合うけどお酒とは相性悪いから。痺れと旨みのバランスが大切や」。実際に、ご飯との相性も抜群でビールも進む。抜群に旨いのに昼に出さないのはなぜ? 「麻婆豆腐は立派な料理。おかずじゃないから定食にするつもりないよ」。…何という麻婆愛。山椒 取材で三宮?劉家厨房? (P25)の麻婆豆腐をいただく。赤い。こだわりを聞くと「辛みより肉の旨みが決め手です」。更に丼にすると美味さが半減するらしい。豆腐とご飯を一緒に食べると豆腐の味が負けてしまうのだとか。 考察が外れて心が荒むが、麻婆生活は終わらない。何でもいいから食べねば…と出合ったのは、肥後橋?水晶?の麻婆あんかけ、本町?GoGoパクチー?のパクチー山盛り麻婆豆腐…。もはや何でもアリか。 麻婆ファンの間で有名な店、正雀?四川屋一創?。+100円で辛めを頼むが、舌が麻痺してもはや判断できず。山椒は散らすだけでなく一緒に煮込んでいるのだろうか、程良い刺激が口内に残る。旨い。丼がない理由は「油が多くてご飯に合わないから」。 丁度ええ! な、豆腐に出合ったのは本町?華都飯店?。山椒が香りだけでなく麻婆全体に閉じ込められている。豆腐と肉が口の中で消えるタイミングも同じ…が、長ネギが味のアクセント以上の存在感を放ち余韻として残る。惜しい…なんだか実に惜しいぞ。 神戸・南京町の中国茶専門店の店主に、麻婆豆腐とご飯の関係性について伺った。中国の家庭では食事の席で取り皿を使わず、ご飯茶碗を取り皿代わりにおかずをのせて食べるらしい。てことは、必然的にご飯と麻婆は重なることになる。が、それを麻婆丼と呼ぶのは日本だけで、本来の麻婆豆腐とは全く別の食べ物…? そしてコソッと教えてくれた。「本場の豆腐は小さいヨ」。 豆腐のサイズを意識して食べてみる。例えば?餃子の王将?の豆腐は、レンゲからはみ出す程大きい。角もしっかり残っていて豆腐の味が独立している。中崎町?一品香?の麻婆丼は、すごろくのサイコロのようなミニサイズ。ご飯の層が薄いこともあってか、麻婆豆腐とご飯がラザニアのように一体化している。豆腐の味もあまりしない。サイズで本場の味か否か判断できるか分からないが、全体のバランスを左右するのは確かだ。 「本物の麻婆豆腐」を追求した1カ月。どれだけ本場の味に近づけても食べるのは日本人ゆえ、それを基準にいかに旨い(かつ本格的な)麻婆に仕上げるかがカギになる。そして痺れに包まれた豆腐、挽肉が口の中で同時に溶ける一体感あってこそ完成するのだと思う。それを感じた瞬間の感動たるや…!麻婆豆腐定食生活を終えて?。麻婆考察4味はもちろんだが、色も本物の麻婆を見極める判断材料になるのかもしれない。 麻婆豆腐の姿が分からなくなる。更になんだかお尻が痛い。誰か助けて…と、中国人の友人が営む新大阪?中華居酒屋 濱?へ。これまでの経緯を説明すると「茶色や黒はアカン。赤い麻婆こそ本場の麻婆やで」。なるほど、色はノーマークだった。ちなみにココの麻婆は真っ赤。より店主の言葉に痺れたのであった。