ブックタイトルM1503

概要

M1503

40麻婆考察2真の麻婆豆腐の決め手は、旨みよりも痺れなのか。口内に残るビリビリが大きな手がかりに？　正直、麻婆豆腐は年に数回食べる程度。まずはその味を思い出すべく、会社近くにある創作四川料理店?Bricolage China Sin.?（P31）へ。真っ赤な油に浮かぶ豆腐と挽肉、各々の主張を感じる。…辛い、とにかく辛い。ご飯を挟まないとちょっとキツイ。これが四川風麻婆豆腐の姿なのだろうか。一食目にしては刺激が強かった。　茨木市?紅紅火火?。丼茶碗に注がれたスープ状の油に、大粒の梅干しサイズの唐辛子が4つ! この他、葉ニンニクや山椒などの香辛料は四川省から仕入れているらしい。辛すぎて言葉が出ない。人が無言になるのはカニを食べている時だけじゃないんですね。1日目同様、ご飯泥棒力を発揮。1月5日（月）1月6日（火）1月7日（水）1月8日（木）1月9日（金）1月12日（月）1月15日（木）1月13日（火）1月14日（水）1ヵ月麻婆豆腐定食生活。その先に見えるモノとは？前回の鍋に続く体当たり企画に若干凹み気味…の原因は、この絶妙なダサTシャツ。中華は好きだが麻婆豆腐は好んで食べない。マイベスト中華は［餃子の王将］の天津飯。挑戦者 脇知佳（本誌）　昔食べて美味しかった記憶がある新町?ラヴィリンス?。食べたのは名物・飲料麻婆豆腐丼…定食じゃないが、物は試し。口に入れた瞬間、カレー系スパイスの風味がブワッと! が、辛さはなくマイルド。豆腐は原型をとどめておらず、挽肉も細かいので〝噛んでる?感覚なし。懐かしの若槻千夏ブログ「麻婆豆腐は飲み物です」を思い出す。　この数日で、四川麻婆豆腐が想像以上に辛いとことが判明。では、大衆中華の麻婆豆腐はどうだろうか？ 船場センタービル?幸梅軒?に駆け込んだ。先日の?天地?と同じトロリあん、異なるのは香辛料の風味皆無のオカン麻婆。丼風にしてみると、米にあんが吸い付くように絡みあっという間に完食。ただこれを麻婆豆腐と呼べるのかは謎だが。これまで辛さしのぎにご飯を?きこんでいたが、初めてオンザライス欲が駆り立てられた。　「四川麻婆豆腐」が食べられる店を攻めることに。まずは京都の北白川?駱駝?。鼻に抜ける山椒の香りが特徴的。激辛が予想される見た目だが、意外にも嫌な辛さではない。ビリリと唇が痺れる余韻が強烈で、肝心な旨みの記憶がすっ飛んでしまった…。初の感覚にちょっぴり興奮。丼は存在せず。　続いて福島?中国菜OIL?。丼なし。お客全員が麻婆豆腐を食べている異様な光景である。痺れ、旨み共にバランス良好な麻婆豆腐か？隣の男性は汗ボーボーだったが昨日の麻婆の影響か辛さを感じず。マズイ、舌の感覚が狂い始めている。　京都・二条?大鵬?へ。「麻辣にこだわり香辛料は四川省のものを厳選」とうたう通り、思わずヒーハー！ 挽肉のしっかりとした粒感は好印象、残るのは肉の旨みより辛み。隣の席に座っていた人につられてビールを頼んでみたが、なぜか進まない。　衝撃の出来事が起こったのは天満?福龍園?。四川麻婆豆腐を打ち出しているのに丼があったのだ。考察が覆された。店主に尋ねると「昼と夜の麻婆は違うんや、麻婆語るなら夜食べてからにせぇ!」。昼の麻婆は山椒が効きつつ辛さ控えめな親しみ深い味だった。　友人の勧めで訪れた堺筋本町?天地?では、中国人シェフが料理を作っているようだ。現地に近い味…？ という予想に反して辛さ控えめ。レンゲがポヨンと跳ねるほどあんトロトロ。黒酢をかけると味に変化があり美味。聞けば、日本人向けにアレンジしているそう。麻婆考察1ご飯にかけたくなるのは甘い麻婆豆腐。さらに「四川麻婆豆腐」と打ち出している店に麻婆丼は存在しないのかもと気付いた。麻婆考察3四川系の辛い麻婆豆腐は、ビールに合わないのかもしれない。何やら関西で、麻婆豆腐定食を出す店が増殖中らしい。その秘密を探るべく、求道的（半ば無心）に食べ続けた結果…。取材・文・写真／脇知佳（本誌）