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概要

codomo

35 CODOMOのレシピに欠かせない塩麹は、[田野屋塩二郎](P86)の塩と、島根[やさか共同農場]の有機乾燥米こうじを使って店で手づくりしています。その米麹の原料となる“種麹”のことを知りたくて紹介してもらったのが、六波羅蜜寺の向かいにあるこちら。日本酒や味噌、醤油などの醸造メーカーは、自らの蔵で米麹や麦麹をつくって原材料として使いますが、種麹は文字通りその麹をつくるための種のこと。日本の国菌である麹菌の胞子を大量に集めたものです。[菱六]は創業から350年以上もの間、種麹一筋で営業してきた老舗です。 「かつて京都には北野麹座という大きな麹の組合があり、専売権がありました。さらに歴史を遡れば、奈良時代初期の『播磨国風土記』に、お供えの米飯にカビが生え、お酒にしたという記録も」と教えてくれたのは、代表の助野彰彦さん。約1300年も前菱ひし六ろく京都・五条codomo’s food tripから存在していた麹という小さな命は、日本の食文化にとってなくてはならないものです。 種麹には大きく4種類あり、白味噌なら白系、焼酎なら黒系といった具合に、つくる発酵食品によって使う種麹は異なるそう。菱六では麹菌の胞子を原料米で培養しながら大切に保存され続けています。「作り方の基本は300年ほど変わっていませんし、変えようがありません」と助野さんが言うように、麹は昔から普通にあったもの。微生物の命に支えられてきた日本の食文化。ここはその故郷なのかもしれません。単独または何種類かの麹菌をブレンドして培養し、日本各地にある醸造メーカーの要望に合わせた種麹を製造販売。日本酒業界では種麹のことを「もやし」と呼ぶため、看板の文字にはその名残が。一般にも種麹は販売しているほか、菱六の麹を使った甘酒も販売。●京都市東山区松原通大和大路東入2丁目轆轤町79 ?075-541-4141