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概要

kyoto_okazu_saijiki

28 幼い頃、母が作ってくれるホットミルクをふーふー吹きながら飲むのが大好きでした。そして、表面に張られた膜を、スプーンでそっとすくって口に運ぶとき、なんとも得した気分になったものでした。 同じく熱した豆乳の表面に張られた「膜」、これこそが湯葉。この膜ができる原理は牛乳と同じだそう。ただし、牛乳は動物性タンパク質ですが、湯葉は「植物性タンパク質」。どちらも上手に摂りたいものです。 生湯葉の中でも、「汲み上げ湯葉」は、膜ができる前に豆乳ごとそっと汲み上げたもの。栄養価は一番高く、クリーミーでなめらか、まるで生クリームみたい。とろとろした食感と、濃厚な甘みとコクが私は大好きで、おつゆの具にしたり、とろみを生かしてあんかけ代わりに使ったりしています。意外なところではグラタンのソースにも。ラタトゥイユにかけるとトマトの酸味がマイルドになり、これがまた美味しい。 一方、表面にできた薄い膜を、すーっと引き上げたのが「引き上げ湯葉」。お刺身のほか、照り焼きやお鍋の具に活躍します。シート状になっているので、餃子や春巻きの皮の代わりに具を包むのもおすすめです。 お豆腐におから、湯葉など、京都の人は昔から日々の生活の中でタンパク質を上手に摂取してきました。これらを現代のお料理に生かす工夫、きっとまだまだあるはずです。◆特長と保存法汲み上げ湯葉大豆の栄養と旨みが一番詰まった部分を、汲み上げたもの。生クリームのようなやわらかさと甘み、コクが特長。  風味を大事にしたいので、新鮮なうちにいただくこと引き上げ湯葉豆乳の膜をすーっと引き上げた、シートタイプの生湯葉。淡白な味わいなので他の食材との相性が良く、煮炊きものの具や、春巻きの皮代わりにもなる。  保存袋に入れ、できるだけ空気を抜き、冷凍庫で1カ月保存可能栄養満点「お豆の生クリーム」生湯葉