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概要

BOTANICA

ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。諸説ある中の一説では、縄文時代に食糧として中国大陸からもたらされたとされる。地中で葉が肥大した鱗茎から秋に50センチほど茎を伸ばして花を咲かせる。花は1週間程度で枯れるが花弁や蕊は散らず、茎もなかなか倒れない。これは花弁や茎に残った養分を球根に吸い戻すためといわれる。花が終わると葉が出て光合成を始め、春に葉が枯れると地下に鱗茎だけが残る。花の時期に葉がなく、葉の時期には花がない性質から「葉ミズ花ミズ」「葉ナシ草」などの呼び名もある。曼珠沙華の名も花が「先ず咲く(マンズサク)」ことが起源という説がある。日本のヒガンバナは不稔性で、種子ができても発芽しないといわれる。鱗茎は大きくなると分球するため、これを以て繁殖させる。鱗茎は生命力が強いため掘り上げられても枯死せず、根を伸縮させて少しずつ土の中に潜り込み、数年をかけてちょうどいい場所まで移動する。ヒガンバナのように植物が化学物質を放出することで、他の生物に影響を与える作用をアレロパシーという。属名のリコリス?Lycoris?はギリシャ神話の女神、リコリスの名から。美しい花の姿を女神に見立てたという。英名は「スパイダー・リリー」。蜘蛛のような花の様子から。※22※23ボタニカ問答帖 045 ヒガンバナ