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概要

S1503

二条駅西口二条駅東口JR二条駅地下鉄二条駅二条通御池通佛教大二条キャンパス姉小路通千本通BiVi二条三条通冨美家 ?075-821-3587京都市中京区西ノ京小倉町4-12午前11時~午後3時、午後6時~午後8時(祝日は午前11時~午後2時)日曜休み カード●不可席数●テーブル18席JR・地下鉄二条駅から徒歩5分>> 千本三条中華そばは550円。うどんだしを利かせたミニ玉子丼が付く「割り安セット」(980円)もおすすめ(共に税込み)。店の始まりは一雄さんの祖父が始めた七条大宮の七条民衆食堂(右上写真)。現在地には昭和30年頃に移転。材木店が集まるこの界わいでは、当時、国産木材のセリ市が開かれ、店は仲買の人たちで大にぎわいだったそうだ。小ぢんまりした家庭的な店構えが京都らしいこちらのおうどん屋さんは、実は和洋食堂や寿司店、製麺所を経ながら4代続いてきた老舗。しかし真に驚くべきは、その中華そばである。肩ロース肉を使った自家製チャーシュー、愛らしいピンク色のかまぼこ、そして極細のストレート麺にとろりとからむ鶏がらスープの四重奏がたまらなくおいしい。この味の生みの親は、3代目の石黒一雄さんの母。早くに夫を亡くし、一雄さんと二人三脚で店を切り盛りしていた昭和30年頃に作り出した。「当時、うどん屋さんの中華そばといえば、うどんだしに中華麺を入れた『黄そば』が主流やったんです。そこで母が『中華そばと言うからには、鶏がらでだしをとったらもっとおいしいのでは』と作ったのが始まりです」。スープづくりは、なんと毎朝5時から。コクを加えるため、鶏がらにごく微量の豚骨を混ぜるのが母譲りの隠し味だ。店じゅうのコンロを使ってじっくり炊いただしは、鶏の水炊きを思わせる美しいクリーム色。チャーシューの煮汁をこのだしで割ると、五臓六腑にしみわたる白濁スープが出来上がる。「ラーメンは脂っこいと敬遠される方もこれはあっさりしてて食べられると言うてくれはります」。かしわ好きの京都の人の舌をとろけさせる、別格扱いの中華そば。一雄さんと息子の千晶さんによるおだやかな接客にも癒やされ、余計においしく感じてしまう。冨美家の中華そばふみや鶏のおいしさを感じる、滋養たっぷりの白濁スープ54