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概要

kansai_daigaku

 実物との対面は、3階の「待兼山に学ぶ」コーナーで。すぐ近くで見ることができ、迫力があり、鏡で裏側まで見える。この骨に肉がついていたのだから、かなりのスケールだ。下あごの骨の先が折れ、右足が骨折しても生き続けていたことがわかっており、満身創痍、戦士のようなワニだったようだ。下あごの部分の復元模型に触ることもできる。当初は牛の化石や丸太などと思われていたらしく、化石を掘り出す時につるはしの先でたたいてしまった跡が残っているのが面白い。このマチカネワニの化石は2014年に国の登録記念物として登録された。温帯のワニは珍しいためまだ解明されていない部分も多く、現在も研究が続行中。そうした研究の歴史や成果、また発掘時の様子などがわかる展示なので、化石や古生物マニアでなくてもマチカネワニファンになってしまいそうだ。 ?豊中市立青年の家いぶき?や?東京大学総合博物館?にもレプリカが展示されているというマチカネワニだが、最近は、エキスポシティのミュージアム?ニフレル?のフォトゾーンにも登場した。こちらの博物館の協力で、化石をもとに頭の部分を忠実に復元した模型だというから、機会があればぜひ見に行ってみよう。謎の解明に向け、現在も研究は続行中。大阪大学総合学術博物館ミュージアムカフェ「坂」●豊中市待兼山町1-20(大阪大学豊中キャンパス 待兼山修学館)206-6850-6284(待兼山修学館事務室)10:30~17:00日・祝休&年末年始休(特別開館日あり)入館無料アクセス=阪急宝塚線石橋駅から徒歩約10分h t t p : / / w w w .museum.osaka-u.ac.jp/ [大阪大学総合学術博物館]の1階にあるカフェには、リーズナブルな軽食やドリンクメニューが揃っていて、来館者だけでなく、大阪大学の学生や近所の住民からも人気を集めている。緑の広がる前庭に面したテラス席もあり、平日は子ども連れでランチを楽しむ人も多い。また、カフェの中には小さな展示コーナーが設けられており、コーヒー片手に気軽に眺めることができる。今後はカフェ内の展示も充実させる予定だとか。コーヒー200円~。阪急宝塚線石橋阪急箕面線171176石橋阪大下大阪大学が開発に取り組んだ真空管計算機。日本のコンピュータ開発のさきがけとして、重要科学技術史資料に認定されている。裏には、複雑な配線が手作業で行われた跡が残っている。電子顕微鏡は、1931年にドイツで開発されたが、国産第1号は大阪帝国大学で誕生した。菅田榮治が1939年に製作した1号機などが展示されており、日本の重要科学技術史資料に認定されている。「大阪大学の系譜」のコーナーでは、緒方洪庵が開いた蘭学塾[適塾](P50)、大阪商人の出資によって設立された[懐徳堂]という精神的源流と、現在までの大学の歴史が紹介されている。大阪大学豊中キャンパスのある待兼山は、古墳などが密集した「待兼山遺跡」として国の文化財台帳に登録されている。2005年に調査された待兼山5号墳から出土した埴輪などが展示されている。初代総長・長岡半太郎、ノーベル賞を受賞した湯川秀樹、八木アンテナの八木秀次、原子核物理学の菊池正士など、大阪帝国大学物理学教室の自由な研究環境と研究者の業績が紹介されている。複雑なタンパク質の構造解析模型。研究ツールというよりアート作品のようにも見える。「みる科学」のコーナーでは、電子顕微鏡やX線構造解析を用いたタンパク質構造解析の研究成果が紹介されている。?阪大博物館、ワニ以外もすごいんです。待兼山の自然、大阪大学の業績、大阪大学の歴史などの常設展示のほか、最先端の研究などをテーマにした企画展も年2回開催されている。知に触れる関西の大学を楽しむ011