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概要

ecotrip_kyoto

???[ 散策 ]“世界のANDO”以前の代表作安藤忠雄 //TIME’S(1941~) (Ⅰ/1984)(Ⅱ/1991)文/倉方俊輔 写真/内藤貞保 有本真紀 西岡 潔 イラスト/AKAO MAYO世界的に知られた古都だからこそ、京都で建築を設計する人たちは、伝統と真剣に向き合ってきました。ここでは京都の街を彩ってきた明治~現代の9人の巨匠とその建築をピックアップ。緊張感を持った仕事に、設計者の個性が表れ、「京都らしさ」に対するアンサーもそれぞれの作品から垣間見えます。タダで賢く楽しめる(外観なら!)建築さんぽからエコトリップを始めましょう。 京都は散策が楽しめるまちです。古くは水路沿いをぶらぶらと、最近は街路沿いをショッピングで。その両方が同時に行える散策の建築がTIME'Sです。 通りからコンクリートの階段を下りたテラスに、高瀬川との間をさえぎるものはありません。フェンスのない川沿いのテラスを歩くうちに、路地のような細い通路や階段に誘い込まれ、暗がりの中を上り下りすると、ふと明るい水面が現れます。決して大きくはない商業建築ですが、建物の中をさまよい、自然を新鮮に感じることができるのです。 設計した安藤忠雄は、今でこそ大規模な公共建築を設計するイメージが強いですが、TIME'Sの第1期を手がけた1980年代半ばまでは、住宅や商業建築が活躍の中心でした。狭い土地でも環境を読み込み、クライアントや関係者を説得して、他の人が考えつかないような空間を出現させる。1976年に建てられた出世作「住吉の長屋」に通じる安藤の手腕が、制約の多い京都中心部だからこそ切れ味よく現れて、代表作の一つとなりました。 奥にある背の高い建物が、第2期として完成した部分です。これができた1991年頃から、安藤は関西から日本中で、やがて世界で巨大な建築を手がけるようになり、世界のANDOとして躍進していきます。そのもとになった才能を、散策で体験しましょう。現在はカフェやTシャツ専門店が入居。●中京区木屋町通三条下ルTIME’S[木屋町三条]?安藤忠雄の代表作ベスト3住吉の長屋(1976/大阪)光の教会(1988/大阪)兵庫県立美術館(2002/兵庫)map P105 2-Hやってみる味わう買う泊まる知る・学ぶ