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概要

rebooting

おかげで舞城氏のような異端作家の作品が60万部も刷られることになた。 芥川賞発表号の読みどころのひとつは、選考委員のときに辛辣な選評である。受賞作なしという結果だた2009年の第142回の場合、なおさら気になたが、選考委員(池澤夏樹、石原慎太郎、小川洋子、川上弘美、黒井千次、高樹のぶ子、宮本輝、村上龍、山田詠美の9氏)の選評を読む限り、たしかに舞城作品が比較的、高い評価を集めている。とはいえ、「だらだら長いだけで、小説として本質何をいいたいのかわからない」「終盤の普通活字の四倍の大きさで書きこまれたカタカナの無意味さは作者の言葉の未熟さを露呈させているだけだ」(ともに石原)、「それぞれの人間がよく書けているが、書かれてあるもの以上の何かが行間から湧き出てこない」(宮本)といた否定的な評価もあり、むしろこの感覚のほうが『』という雑誌のもつ、保守性に相応しい。そうした評があるなかでの舞城作品の一挙掲載は英断だたと思う。 意外なこの出来事に刺激され、他のペジも読んでみると、いろいろと発見がある。 たとえば2003年に十代で芥川賞を受賞して話題を呼んだ作家の綿矢りさが、太宰治の魅力を語る座談会に登場し、父から『斜陽』の初版をもらたという室井滋に対して「お父さまが買わはたんですか?」と、ふだんみせない関西弁で受け答えしている場面があたり、伝統ある巻頭エセイに、ライトノベル出身の直木賞作家・桜庭一樹が文章を寄せていたりする。また「新聞エンマ帖」という無記名コラムでは、ググルやツイタといたネトの話題もさりげなく織り込まれている。ただしメイン企画はあくまでも「小沢一郎批判」であり、ノンフクシン作家の立花隆や政治家の渡辺喜美といた花形役者の起用も忘れない。1923年創刊(文藝春秋)印刷証明付発行部数 588,000部(2011年4 ~ 6月、雑協調べ)販売部数 381,026部(2010年7 ~ 12月、日本ABC協会調べ)定価は号によって異なる(2011年現在)『文藝春秋』0 7 5